「さっき、彼女に振られちゃってさ」
「え? そうなんだ。この間会ったときは仲良くやってそうだったのにね。何かあったの?」
「それがわからないから聞いたんだけど、メールが帰ってこないんだよ。だから文面から何か読み取るべきなのかと思って電話したんだけど」
「文面?」
「別れのメールだよ、ちょっと読んでみてくれないかな」
「メールで振られたの!?」
その友人と彼女はもちろん二人ともいい大人で、しかも一年半くらい付き合っていたのでメールで別れを切り出すのは少し意外でした。もちろん、現代の恋愛ではメールで別れを告げるのは珍しいことではありませんが、メールでの別れは若者とか、交際期間が短いカップルに多いもので、いい大人が一年半も付き合った相手にメール一本で別れを通達して理由を聞かれても返さないというのは普通とは言いがたいものです。
友人をメールで振った相手の文面は以下のようなものでした;
XXX君、いきなりごめんね。でも私はやっぱり一人でいる方が楽しいと思うので、もうXXX君とは付き合えません。色々とお世話になりました。
んんん??
正直、単純にひどいメールだと思いましたが、その感想は飲み込んで、「でも私はやっぱり」という表現があるのだから、その前にそういった話を一緒にしたのではないかと友人に訊ねました。しかし彼は全くそういう話をした心当たりがないので混乱しているということでした。
彼の混乱と傷心はよくわかりますよね。「もうこの街にはこないからゴミを捨て散らかしてもいい」というのがマナー違反なように、「もう別れるんだからメールで別れようが理由を聞かれて無視をしようと関係ない」というのは明らかに恋愛のマナー違反だと思います。
私はDVなどの特殊なケースを除いて、普通の別れの時は面と向かって別れるべきだと思います。少なくとも、相手には理由を知る権利がありますし、抗議をする権利もあると思います。とにかく、自分勝手にすべてをいいように進めていくというのはあまりにも勝手なのではないでしょうか。
別れた後にノーコンタクトに入るつもりでも、その前に別れ話は二人でしっかりするべきです。恋愛は二人でするものであり、一人でするものではないからです。別れ際に置いても、相手を尊重する気持ちを持つのが大人の恋愛のたしなみというものだと思います。