この辛さ悲しさから指を鳴らすだけで抜け出せるような魔法があれば、家財を売ってでも手に入れたいという気持ちにもなりますが、一瞬で辛い失恋からの回復ができる魔法は残念ながらありません。
…ただ、一瞬で立ち直る魔法はなくても、回復プロセスを縮めるための実践的な方法はあります。その中でも最も有効なのが「ノーコンタクト・ルール」です。
ノーコンタクト・ルールって何?
ノーコンタクト・ルールとはその名の通り、別れた恋人とのコンタクトを断つということです。実践では別れた相手とのコンタクトを断つことを自分にルールとして課すので、最後に「ルール」がついています。
ここで大事なのは、「コンタクトを断つ」ということがただ「連絡(電話・メール)をしない」ということにとどまらないということです。
ノーコンタクト・ルールの「コンタクト」は、彼/彼女にまつわる物や写真を見て懐かしんだり、彼女/彼氏のSNSのステータスをチェックしたり、等々、別れた恋人のことを考えてしまう原因になるあらゆるコンタクトを指すのが特徴です。
ノーコンタクト・ルールの目的は?
別れた恋人とのあらゆるコンタクトを断つのには理由があります。
失恋からなかなか立ち直れない人が、失恋回復のプロセスを遅らせている最大の原因は「別れた恋人のことを考え続けてしまう」ということです。
どう単純に考えても、その人のことを考え続けているのに、その人のことを忘れるなんてことはできるわけありませんよね。
別れた彼氏/彼女のことを考えてしまうきっかけはいくらでもあります。その人とのメールや電話はもちろん、別れた恋人のことを誰かが話しているのを聞いたり、思い出の品を見たり、思い出の場所に行ったり。
別れた相手のことを思い出すと、また振られた瞬間のような状態に戻ってしまうわけです。心の生傷が痛み、失った悲しみや復縁のことを考えてしまい、新しい一歩を踏み出すことに力を使えないわけです。
別れた恋人の事を必要以上に考えないようにして、新しい自分の生活を作っていくなどの失恋から立ち直るプロセスに集中するのがノーコンタクト・ルールの目的です。
ただ連絡を断てばそれでよいというわけではない
このような目的でノーコンタクトをするからこそ、ただ連絡を断てばいいというわけではないということが解ってきます。 例えば失恋の歌はあらゆる国の言葉であらゆる歌手が歌っています。流行歌の9割は恋愛を歌っていますが、そのかなりの部分を失恋関連の歌が占めていると言ってもいいかもしれません。
当然、私たちが普段聞いている音楽や好きな歌手のレパートリーの中に失恋を歌った歌があるわけですが、「今の自分の気持ちを代弁しているから」という理由で失恋を扱った歌詞の歌を聴いてしまうと、別れた恋人と過ごした時間や、彼/彼女との失恋を思い出してしまうのは自然のことです。
ノーコンタクト・ルールの目的は自分の意識(+無意識)に別れた恋人のことをなるべく上らせないようにすることですから、別れた恋人のことを思い出させるならば、そういった歌や音楽も聴かない方がいいということになります。
要は、別れた彼氏/彼女を思い起こさせる物を排除する事で、彼/彼女がいない生活を作っていくための心の状態をつくるのがノーコンタクト・ルールなわけです。
ノーコンタクトは、失恋から回復するはじめの一歩
今見てきたように、ノーコンタクトの目的が失恋から立ち直るためにベストな状態を作るものである以上、ノーコンタクトをすれば失恋から立ち直る過程が終わったということにはなりません。ノーコンタクトはあくまで欠かせない始めの一歩としてとらえるといいと思います。
…どうですか? みなさんのノーコンタクト・ルールについての理解が深まれば幸いです。より詳しく知りたい方は失恋から立ち直る本に詳細な解説が乗っているので読んでみてください。