ある程度の人生経験をした男性(笑)にとっては、これに対する正しい答えが一つしかないことを知っています。
…もちろん、「かわいいよ」です。
ただ、このやりとりがそれだけですんなり終わらないこともあります…
男性の模範解答の後に、「本当?」「嘘つき」「気持ちがこもってない」「どうカワイイの?」「どれくらいカワイイの?」「~ちゃんよりカワイイ?」などの詰問が続く事も珍しくないでしょう。
ただの一問一答のやりとりの中に、色々なサブコミュニケーションが潜んでいるわけです。
例えば、一番一般的なのが、女性はただ、彼に褒めてもらいたい、かわいいと言ってもらいたいだけだという時です。その場合はこんな感じでしょうか;
女:「私ってかわいい?」 (かわいいって言って!褒めて!私がカワイイこと知ってるけど、もう一度確認させて!)
男:「かわいいよ」(お前はいつもかわいいよ)
ただ、女性が自分の美貌を汚すような要素を自分で発見している場合だったらどうでしょうか。ニキビが顔の真ん中に出来た、ホクロが出来てしまった、少し太ってしまった…そんな場合、前回と同じトーンで男性が答えた場合、正解にならないわけです(笑)。つまり;
女:「私ってかわいい?」(ニキビができちゃって3キロ太っちゃったけど、それでもまだ私が魅力的だって言って!)
男:「かわいいよ」(うるせえなあ、このニキビ豚が、お前の欲しい答えは分かってるんだよ、言えばいいんだろ、言えば?)
…ちなみに、カッコの中は、女性にとってそういう意味に聞こえてしまった、ということです。女性にとっての不安要素が無いときと全く同じ答え方をすると、こういうことになる可能性があり、結果、女性は「嘘でしょ」「本当の事言って」などのリアクションを取るわけです。ここでの正解は、女性の不安要素に気付き、その全てを抱擁するかのような優しいスマイルです。その場合;
女:「私ってかわいい?」(ニキビができちゃって3キロ太っちゃったけど、それでもまだ私が魅力的だって言って!)
男: 「かわいいよ」(ははは、そんなニキビくらいで不安になっちゃってかわいいやつめ。お前はいつもと同じように、今日も死ぬほどかわいいよ。)
ということになり、解決するわけです(笑)。
しかし、もし、 「少しの不安要素」どころか、9キロ太り、いつものかわいい服やセクシーな服が一切入らなくなってしまい、自分でも「ヤバイ…」と思っていたらどうでしょうか。上記の答えを使った場合はこんな感じになります;
女:「私ってかわいい?」(もうちょっと食生活に気を配って、運動をしなきゃいけなかったのは分かってるの、でも、私の事をまだ魅力的だと思ってくれてるよね? そうだよね?)
男:「かわいいよ」(とりあえず黙らせるためにお前の聞きたい答えを言っているだけだよ、この仔カバが)
あああ…またしても不正解になってしまいました。この場合はかなり答えが難しくなってきます。正解は、不安要素に対して自分も心配している、というトーンをコミュニケートすることです。それを成功させるとこうなります;
女:「私ってかわいい?」(もうちょっと食生活に気を配って、運動をしなきゃいけなかったのは分かってるの、でも、私の事をまだ魅力的だと思ってくれてるよね? そうだよね?)
男:「かわいいよ」(俺はお前が好きなんだよ、見た目が変わっても、ヨボヨボのおばあちゃんになっても、俺がお前を好きでかわいいと思う気持ちは変わらないんだ)
ただ、不安要素がさらに大きくなったらどうでしょうか? 他の状況が変わったらどうでしょうか? とにかく正解を出すのは難しく、かなりの労力がいるわけです。したがって、男性がこの質問に答えるのが面倒になってしまうのも仕方のないことです。そこから、全てのパターンを一般的に要約するとこうなるでしょう;
女:「私ってかわいい?」(私を肯定して!私を認めて!)
男:「かわいいよ」(めんどくせえ女だなあ)
…そうです。「私ってかわいい?」は男の大嫌いなセリフです。