そもそも、恋愛中の時にこういった質問をする気にはなりません。だって、「一生続くに決まってるじゃない!」と、その時は思っているわけですから(笑)。
ただ、現代とは、恋愛中の人でさえも「この状態は長く続かないだろうな」と思いながら「今の恋愛状態を楽しむ」というような文脈さえ出来てしまっている時代です。
離婚率も上昇傾向にあります。スウェーデン・ロシア・米国などでは50%の離婚率があるという統計も出ています。つまり結婚したカップルの二組に一組は離婚しているわけです。日本の場合、人口当たりの統計を出すので、結婚カップルに対する比率は出ていないのですが、その統計値が近いフランスの離婚率が38%、オーストラリアが34%というところから、日本でも約三割くらいは離婚しているのではないかと推測できます。
三割と言うと三~四組に一組くらいの割合ですが、確かに周りを見渡してみると、離婚経験者は結構いたりしますよね。
そんな現状を生きている私たちにとって、結婚の時(スタイルによりますが)に交わされる、「死が二人を分かつまで、愛を誓い、妻/夫を想い、妻/夫のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」というような結婚の誓いに果たして意味があるのだろうか、と思っても不思議ではありません。(そもそも、クリスチャンでない人間にとっては最初からそんなものは関係ないのですが、日本では教会で式を挙げる人が多いですよね。)
そこで登場したのが、ドイツの政治家ガブリエル・パウリです。彼女は「結婚を七年契約にするべきだ」という主張をしたのです(彼女は二回離婚しています…)。
つまり、パウリのアイデアは、「死が二人を分かつまで」でなく、「七年の結婚契約が切れるまで」の愛を誓い、七年後に結婚契約を延長するかどうか決められるというものです。それによって、七年後に別れる決断をしたとしても、離婚や、それに伴うわずらわしい法律関係の作業や、精神的な疲弊が回避できるというわけです。
もちろん、このアイデアは話題になり、賛否両論を多く引き起こしました;
「結婚は神聖なものであり、法律によって認められているもの」(中道右派)
「結婚はそんなに軽く扱っていいものではない」(上の世代のまともな層)
「信仰をないがしろにするバカモノめが!」(保守系キリシタン)
というような反対はもちろん、
「それは素晴らしいアイデアだ!!」(離婚経験者)
「若者の結婚離れを回避できる」(人口減少悲観論者)
「本気で付き合うのが恐くなくなるかも」(割り切ったカジュアルな恋愛しかできない人)
などの賛成もあるわけです。
この議論はおもしろいですが、やはり「結婚って結局何のためにするの?」という大きな問いに各自答えなくてはいけなくなるわけです。
「子供のため」という答えはどうでしょうか。子供のために、もう終わった関係でも続けなくてはならないのでしょうか。子供の親は結婚していなくてはならないのでしょうか。離婚率が50%を越えている国の子供はそうでない国の子供より幸せなのでしょうか、不幸なのでしょうか。
…そこで最初の問いに戻ります。愛は一生続くのでしょうか、七年続くのでしょうか? そしてどれくらい続くかを、前もって知る事は出来るのでしょうか。
皆さんは「結婚七年契約」に賛成ですか、反対ですか?