この話題は、よく聞くものですよね。いわゆるピックアップ・ライン(ナンパの時の決まったセリフ)にも、これをアレンジしたものがあるくらいです。
どこからが浮気なのかという話の時に必ず出るのが、「キスまではOK」「手をつないだらアウト」「二人でご飯に行ったらアウト」などのライン、つまり線引きの話です。
自分のラインと相手のライン
「キスは浮気じゃない」と豪語する男性を知っていますが、これはつまり「俺はパートナー以外の女性とキスをしているけど、パートナーを一番大事に思っている。だってキス以上のことはパートナーとしかしないからね」と言うような意味になると思います。
逆に、「手をつないだらアウト」という人は、「もしパートナーが他の相手と手をつないでいた場合、それを浮気とみなし断罪する(笑)」というニュアンスだと思われます。
両者の大きな違いは、境界線を引く場所でなく、自分が浮気をする話をしているのか、相手に浮気をされる話をしているのかという違いです。
今例に挙げた「手をつなぐのは浮気じゃない」という男性、彼のパートナーが他の男性と手を繋いでいたら、「平気平気、そんなの浮気でもなんでもないよ」と笑って言えるでしょうか。
…怪しいものです。
もちろん、お互いに複数のパートナーを持つことを許容しあうオープン・リレーションシップは大人の恋愛の一つの形ですし、それで上手くいくこともありますが、パートナー同士が同じだけさばけた恋愛観を持っているというケースは本当にまれです。
「彼女が他の男と手をつないでいたら浮気だけど、俺は他の女と手を繋いでも浮気じゃない」というようなダブル・スタンダードになるケースも珍しくないわけです。
境界線は自分だけで引くものではない
私たちの文化で一般的な、一夫一妻的な関係においてはやはり、相手との信頼関係を守ること、お互いが安心していい関係を続けている事などを基準にその関係への献身度(?)を示すのが普通でしょう。
つまり、「相手の信頼を損なわない」「パートナーの気持ちを傷つけない」などの基準が線引きの理由になるべきなのではないかということです。
「旦那が浮気している。だって他の女と飲みに行ったから」
「妻が浮気している。だって他の男と手を繋いだから」
そう相手が感じれば、それはその人にとっては浮気なのです。やった本人が浮気と思っていなくても、パートナーがそれによって傷ついてしまったら、それは信頼関係の中ではダメージになってしまうのです。
「どこからが浮気で、どこまでが浮気じゃないか」を決めるのはあなたではなく、あなたのパートナーがどう感じるかだという事です。