仕事のために好きでもない人と付き合う!?



「恋愛」や「付き合ってる」という言葉がなんとなくドロドロしたものを思い起こさせることがありませんか?

純粋で、誠実な恋愛や、色々とこんがらかった複雑さのない単純な恋愛といったようなイメージは何か漫画の世界の出来事のような気さえするかもしれません(とはいえ、最近は漫画でも複雑な恋愛を描くことが多いですよね…)

そもそもなんで私たちは恋愛をするのでしょうか。楽しい時間のため、刺激的な時間のため、安定のため、愛されている感覚のため、お金のため、それともキャリアのため?

「あいつらはできてる」
「あの子は女の武器を使っている」

こういった表現が聞こえる職場は少なくないでしょう。そもそも、上司や取引先におべっかを使う一環としてちょっとセクシャルなコミュニケーションをするというのは全く珍しい事ではありませんし、それなりに効果があるとすら言えるでしょう。

しかし、一線を引くことをせずに、そのままずるずるといってしまうケースがあるのも事実です。自分のキャリアのためになると打算して、上司や業界で力のある人と実際に付き合うというケースです。

私の知り合いで、アーティストを目指して日本からロンドンに来た女性がいました。しかしアーティストとしての成功は容易ではなく、鳴かず飛ばずの状態が続いていたある時、彼女はギャラリーのオーナーに出会います。そのオーナーから食事に誘われるようになり、最初は人脈作りのつもりで会っていたのですが、そのうちオーナーはそれ以上の関係を求めてくるようになりました。

恋愛感情のなかった彼女は最初は拒んでいたのですが、そのうちに野心が頭をもたげ、ついにその一回り以上歳の離れたオーナーと付き合うようになります。するとどうでしょうか、すぐそこのギャラリーでの個展が決まり、オーナーの力で業界のパーティーなどにも顔を出せるようになりました。彼女のキャリアは狙い通り右肩上がりとなったわけです。

…この話、皆さんはどう思いますか?

お互いがいいのであれば他人に口の出す余地はありませんが、例えば「好きでない人と付き合った場合、どういう終わり方をするんだろう」というような疑問が湧きます。恋愛感情があれば、それが消えた時に終わりを迎えるわけですが、最初からない場合はどうでしょうか。相手なしになんとかなる位自分のキャリアが成熟したときに終わるのでしょうか。

また、交際の途中で必ず出てくる問題にはどう対処するのでしょうか。相手に恋愛感情がないとわかっている側は幸せでいられるのでしょうか。

デーティング・コーチとして働いていると、「どうしても付き合いたい相手がいる」という相談をよくうけますが、よくよく話を聞くと、「キャリアのためにあの異性を落とす」というような下世話な話だった、ということがあります。私は丁重にお断りするわけですが、プロの助けまで借りてなんとかしようというその野心と情熱を仕事につぎ込めばなんとかなるのではないかと思ってしまいます。

私は個人的に、本当に充実した関係をパートナーと作ることが素敵な人生のためには必要だと思っているので、キャリアのためだけに交際をするというのはつまらないと思います。仕事が成功して、銀行残高の数字が増えたからといって、横で好きでもないおじいさんが寝ていたら何が楽しいんでしょうか(笑)。

皆さんの中で、キャリアのために付き合って成功した例、失敗した例などがあれば是非教えてください